2009年8月31日月曜日

アゼルバイジャン西部の町

調査のため、ここまで来た。
アゼルバイジャン。首都はバクー。カスピ海に面し、油田が街を潤している。
ただ、工業が盛んなのはあくまで油田のある首都近郊。

西へ数百km、グルジア、アルメニアとの国境が近いところまで来ると、その影響はあまり見られない。

幹線道路沿いの小さな町Qovlarは、南部の山(アルメニア側)から北へ流れ出る河川のつくった、扇状地の片端に位置している。
地下水が豊富で、葡萄畑や林檎畑が広がり、町のあちこちに湧き水が引かれている。
乾燥した気候にもかかわらず、水に困ることはなさそうだ。
強烈な日差しに光る葡萄の粒が、みずみずしい。

タクシーの運転手の話によると、アゼルバイジャンではイランの車が多いらしい。
日本車は希少で、かなり高級とのこと。
町には、日本や欧米ではみかけなくなった、レトロなデザインの車が往来している。
流行りの流線型ではなく、平面を組み合わせたシカクい車。
大切な移動手段。
であると同時に、商品のディスプレイとしても使える、意外と便利なカタチだ。

2009年8月28日金曜日

エルジエス火山の頂上付近


中央アナトリアで最高峰となるエルジエス火山。
標高は3000mを超え、山頂付近には灼熱の日差しに耐えた万年雪が残る。

とはいえ、昨年、一昨年とこの万年雪が消えるという嘗て無い一大事が起こった。

この辺の人は、お金を借りたときに「エルジエスの雪が消えたら返すよ」と、よく言っていたそうだが(つまりもう返さなくていいよねという意味)、一昨年はそれで借金を返さなければいけない人たちが右往左往したという(本当か?)。

手前のなだらかな斜面は、周氷河作用の名残だろうか。
リフトやホテルもあり、冬にはスキーリゾートとして賑わう。

少し、スイスアルプスを彷彿するような景観だ。

2009年8月25日火曜日

トルコの街づくりとその足元

トルコでは今、急速に都市開発が進んでいる。

地方都市カイセリでも、空港やバスターミナルが新調され、道路は拡幅、ポップな色遣いのアパートやマンションが次々と建てられる。新興住宅地の売り出しは好調のようだ。

そんな中、建設中のマンションをよく見かける。
鉄筋コンクリートなのか、ただのコンクリートなのか・・・。
素人目でも、耐震性に乏しいことは一目瞭然。
地震が無い土地ではない。大丈夫なのだろうか?と、見るたびに心配する。

丘の上の新興住宅地。
そのすぐ横に放置された廃土。
トルコという国民性をあらわしている、といえば微笑ましいが、実際、見ていて残るのは「危なっかしさ」という印象だ。
いくら急ぎの開発だからといって、ここまで無造作でいいんだろうか。

この廃土、ちょっとした揺れや雨で簡単に崩れるだろう。
「下に家はないんだからいいんじゃないか」
そんな声も聞こえるが、そのうち廃土ということを忘れて上にいろいろモノを載せてしまいそうだから怖い。
実際、左側の廃土(住宅地のすぐ手前)はもう、周りの風景に溶け込みつつある。

開発を止めるわけにもいかないだろう。が、もう少し、足元を固めて物事を進めてくれればいいのに・・・。
そう思うのも、心配のしすぎだろうか。

2009年8月22日土曜日

Survey in Kayseri, Turkey

トルコに来ている。

左手前にある三角形の高まりの頂には、トゥムルス(古墳)あるいはテペ(遺丘、もしくは小丘という意味、語感も意味もてっぺんと似ている)が乗っている。ヘレニズム~ローマ時代のものと考えられ、この地域では見晴らしのいいてっぺんというてっぺんに数多く分布している。
ここでの調査では、こうした遺跡の空間分布を調査したり、それぞれの遺跡で詳細な空間データ(地形や地下構造など)を取得している。

右奥に薄く見えるのはエルジエスという、この地域で最大級の火山。カッパドキアの奇岩地形は、この地域からの火山噴出物でできているらしい。